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囲炉裏端の青い犬13

笑いカラス


1日の大半をそこで過ごすのさ。
もう何年もそうしている。
だけどね、この村には、可笑しな興味深い友人が沢山いるんだ。
彼らに会うために、日に一度は外に出かけるよ。

川縁には細い枝の茂った木々が立っていて、そこには笑いカラスたちが住んでいる。
カアカア、カアカアと賑やかにお喋りをしていて、いつだって能天気に笑ってるのさ。
今日は、とても天気が良いからね、彼らのお喋りのトーンも上がっているよ。

都会では、カラスは迷惑がられているらしいけど、ここではそんなことはない。
村人はカラスの役目をよく知っているし、カラスも自分の役目を心得ている。
多少の対立があっても、お互いが譲り合っているんだ。
笑いカラスたちは、自分たちが認められ、愛されているのを知っている。
だから、笑って毎日を過ごしている。

笑いカラスたちは、この日もおれを見つけてみんなで陽気に笑い出した。
犬なのに青いのは可笑しいと、笑い出した。
犬なのに青いのは素敵なことだ、笑い出した。
なんて綺麗な青色なんだろう、と笑い出した。
それに比べてカラスの羽色は真っ黒で、なんて退屈なんだろう、と笑い出した。

その賑やかで心地よい笑い声に、おれは目で軽く会釈をした。
陽の光に反射した笑いカラスの漆黒の羽には、虹色が綺麗に浮かんでいた。
 

 

writing : イヌノラジオ
painting:が~でん

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