親愛なる物語たち

囲炉裏端の青い犬11

いねむりうさぎ
 

おれは、囲炉裏端が好きだ。
1日の大半をそこで過ごすのさ。
もう何年もそうしている。
だけどね、この村には、可笑しな興味深い友人が沢山いるんだ。
彼らに会うために、日に一度は外に出かけるよ。

今日は裏山に住む、いねむりうさぎに会いに行った。
大抵のうさぎは、警戒心があって注意深いものだが、彼はそうじゃない。
いつも惰眠を貪っている。
ここには、うさぎの天敵がいないからね、気楽なものさ。

いねむりうさぎの耳は短い。
警戒する敵がいないから、音に敏感になる必要がないからね。
いねむりうさぎの目は小さい。
どこでも居眠りばかりしているからね。
いねむりうさぎの口は大きい。
いつもあくびばかりしているからね。

彼は、それを進化と言ってうそぶいている。
自分はこの村の平和のシンボルだよ、と胸をはる。
素早く走る必要がないため、大きくなったお腹を揺らして笑ってる。

平和なこの村で、いねむりうさぎは、どんどん丸くなっていく。
きっと彼は、十五夜のお月様みたいになるんじゃないか。
その姿を想像して、おれはクスッと笑った。
 

 

writing : イヌノラジオ
painting:が~でん

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