コンゴの森の冒険者ハンク

板根たたき


「あいつら、ずいぶん興奮しているようだな~」
それほど遠くないところから、ドンドンドンドーンと聞こえてくる。
アンボロの足は確実にその音の方向に向かっている!

しばし音が途絶えた。
同時にアンボロも歩みを止めた。
「ちょっと待ってみよう~チンパンジーはまたきっと声を出すはず…」

ぼくちんも静かに森に耳を傾ける。
「あの、ドンドンドンドーンって言うのは何を叩いているんだ?」
優しい人は問いかける~。

「ほら、たとえば、そこの木を見てご覧…
…下の方は、大きく板状に何方向か張り出しているだろ~。
…あーやって、森の巨木は自分の体重を支えているんだ!」

ぼくちんもその板状のものを見る。
「あ、これは“板根”って呼ばれているやつだ…
…熱帯の木って根がそれほど深くないから、こうでもしないと倒れるんだよな」

優しい人は森の樹木をよく知っているみたいだ。
ぼくちんはそんなことなんか考えてみたこともなかった!
でも、この板根とさっきの音とはどういう関係があるのかしら~?

「チンパンジーは地上を移動しているとき、この板根を叩くんだぜ!」
アンボロは彼らの日常が目に浮かぶように、叩く真似をする…。
「人間の太鼓みたいに、道具を使って叩くの?」と優しい人。

「いや、あいつらは素手で叩く~こうやって…」
なるほど、やつら、腕っぷしは強そうだしな!
ぼくちんは、そうやって森に響く音を出すやつらの姿を想像する。

アンボロは続ける~。
「この音で、仲間に知らせるんだ!…
“こっちに来いや!いいものがあるぜ”って」

writing : ハンク

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