コンゴの森の冒険者ハンク

杖を使ったゴリラ


「もう少し見やすい場所に行ってみよう!」
優しい人はアンボロの提案にしたがう。
ぼくちんもそちらに移動する。

ベンバの森につながっている湿地林の別の際に来る。
さっきとは違う角度からゴリラたちを見られる場所だ。
さすが、アンボロ!

首までどっぷり沼地に浸かっているゴリラ。
片方の手だけを伸ばして水草を取っているゴリラ。
四足で沼地に立っているゴリラ。

みな、それぞれだ。
小さい子供たちはお母さんゴリラの背中にまたがっている。
それで、お母さんのおこぼれの水草を食べている!

「あれ、この木、折れているぞ…」
優しい人が近くの木をアンボロに示す。
よく見ると、50cmくらいの高さで不自然にポキっと折れている。

「ははーん、なるほどね、そうだったのか…」
アンボロはひとりごとのようにつぶやいて、大きくうなずいている。
「見てご覧、そこに折れたばっかりの長い枝がある!」

<バイ>の入り口の沼地近くの地面に、いましがた折れた枝が転がっている。
しかも片方に泥がついている。
「ゴリラは杖代わりにこの枝を使って、バイの中に入っていったんだ!」

ん?アンボロの言っていることがよくわからんぞ!
「この枝を沼地の深さを図ろうと杖のように使うために、わざわざ折ったんだ」
そういえば、アンボロたちも沼地を歩くときはよくそういう杖を使うよな…。

writing : ハンク

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