コンゴの森の冒険者ハンク

かすかな匂い


ゴリラが地面を引っ掻いたあと。
枯れ葉をよけ、表面の土を払い除け…。
大きめのクロアリが出てきたら、バンと叩いて弱らせ、つまんで食べる!

でも、クロアリはいつも一匹~。
集団のアリじゃない。
しかも、アリの出てくる確率はきわめて低いんだ。

効率的に食べ物を探す行為にはとうてい思えないよな~。
ぼくちんはそう感じていた…。
まるで、なんか宝くじの「お楽しみ」の機会みたいだ!

あれだけ嬉しそうな声を上げながら、森からこの場にやってきたゴリラたち。
そして、目の前の湿地草原<バイ>に入る前にみなで一旦停止~。
ちょっとおいしい大きなクロアリでも見つかれば、ラッキー…。

<バイ>に入る前に運試しでもしようかあ~。
アリが取れなかったら取れなかったらでいいんだ。
でも、このギャンブルみたいなのが楽しいんだ…。

ゴリラたちはきっとそんなことを思っていたのかなあ~。
ぼくちんはそう想像を巡らした…。
気づくと、アンボロたちはその場を離れようと、歩きはじめていた。

優しい人が立ち止まった。
「匂いがするぞ!」
ぼくちんには何の香りも感じていないけど…。
 


「もうゴリラなら<バイ>の奥の方へ行ってしまったぜ!」
アンボロはプイと帰途へ足を向けている。
「待った、アンボロ。まちがいない、ゴリラが近くにいる」

優しい人は動こうとしない。
姿は見えないが、ゴリラの匂いを嗅ぎ取ったみたいだ。
アンボロも踵を返してきた!

writing : ハンク

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