コンゴの森の冒険者ハンク

ゴリラ、去る!


優しい人はアンボロの指示に従った。
即座に!
動こうにも、アンボロに手首をがっちり掴まれている。

ゴリラのでかい顔はまるで目の前にあるようだ!
しかしゴリラは静かになった。
こちらの様子を伺っている感じだ。

ぼくちんはその横で縮こまっている。
意外と静かで穏やかな時が流れる…。
どれくらい時間が経ったかなあ~。

アンボロはひとり立ち上がった。
周囲を確認している。
音や匂いをひとつも逃さないように!
 


「ゴリラは去った…」
安堵する優しい人。
ぼくちんもホッとしたさ。

「もし逃げたらゴリラは追っかけてくるぜ!」
そりゃ、そうなったら恐いよな。
「それで相手のお尻をガブッて噛むんだ」

アンボロはそういう実例を知っているという。
「ゴリラは逃げるやつは悪いやつだって知っている。たとえば密猟者とか…」
へー、そうなんだ。

ゴリラの吠え声は、とにかくすごかった。
でも、見通しの悪いヤブの中で、きっとびっくりしただけなんだ。
初めからこちらを攻撃する意図はなかったということか…。

writing : ハンク

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