コンゴの森の冒険者ハンク

おそるべき知恵


ぼくらは集落をあとにして、長屋の方に向けて帰途についた。
もうすっかり雨は上がっていた。
アンボロは仲間との久々の楽しい会話が名残惜しそうだった…。

歩きながら、ぼくちんは集落のことを思っていた。
森にある枝とか葉っぱだけで作る小屋!
でも雨漏りはしない~。

暴風雨でも、大枝の落ちる心配をしなくてもいい森の中の集落。
優しい人なんかよりもずっと目のいいピグミーの人たち。
小屋の中にさえいれば、なにも患うことがない。

そこには暖を取る火がある。
楽しいおしゃべりに花が咲く仲間がいる。
豪雨の音もやさしく耳に入るだけ…。
 


そこには便利な道具もない。
シャレた物品もない。
ただあるのは、心地よい空間と絆の強い仲間!

ぼくちんはまだ広い世界を知らない。
けど、優しい人が住む長屋近くの村とは大違い~。
森の集落にはココロがほっこりするものがあった…。

アンボロは先頭を歩き、道を迷うことなく、ただ一心不乱に進む。
視界の悪いすさまじい暴風雨の中を歩くときと同じように…。
ピグミー族の能力って、計り知れないよな~。

ぼくちんの頭にはいろんなことが横切った~。
あの集落には、どこかに忘れてきた何か大切なものがあるような気がした…。
だんだん視界がひらけ、やっと遠くに長屋が見えてきたぞ!

writing : ハンク

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