コンゴの森の冒険者ハンク

大枝が落ちないわけ


「なあ、こういう暴風雨のとき、小屋の上に枝が落ちる心配はないの?」
優しい人は小屋の上の樹冠を眺めながら、アンボロに聞く。
まだ仲間とのおしゃべりに夢中なアンボロが一瞬こっちを振り向く~。

そうだよな、さっきまで大嵐の森のなかではたしかに大変だった!
ぼくちんも、大枝がずいぶん落ちたのを見たぜ…。
なんで、同じ森の中なのに、この小屋では安全なんだろう?

空はもう小雨だ。
アンボロは外に出て、大きく伸びをした!
もう仲間との会話に飽き飽きしたのかしら…。

「木の上を見てご覧~」
アンボロは優しい人に問いかけた。
ぼくちんも外に出て、一緒に木の上の方を眺めた。
 


「落ちそうな枝なんかないでしょ?」
アンボロは得意げに続ける。
優しい人は、よくわからんといった感じだ。

ぼくちんにも、さっきまで歩いていた森とこの集落の森との違いに気づかない。
「それぞれの小屋を作るとき、まず最初に必ず上を見上げるんだ」
次の暴風雨で落ちそうな枝がないかどうか、確認するらしい。

「ぼくらには、そのへんの判断、到底できそうにないなあ…」
優しい人は困り果てた表情だ。
ぼくちんにもそれはできそうにない!

「簡単なことさ!」
アンボロは豪語する。
目がよくて、きっとそうした枝ぶりの様子が容易に見て取れるんだろうなあ…。

writing : ハンク

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