コンゴの森の冒険者ハンク
部屋住みことはじめ
それに引き換え、部屋の中は静か~。
ぼくちんの優しい人は夕闇の迫る前まで、部屋の中で読書をしている。
なんか、心地よい音楽も聞こえてくる。
そこでは喉が乾いたなあと思えばいつでも水が飲めるんだ!
ぼくちんのために小さな入れ物にいつでも水を入れておいてくれるからさ。
優しい人だなあ~。
日中は外で昼寝やハンティング。
夕方になって、優しい人の住む長屋のドアが開けばひょっこり中に入る。
なんか、そういうのが日課になってきたんだ。
部屋の中にいたら、アフリカミツバチやハリナシバチも来ない!
そのかわり、部屋の中でときおり見かけるのはゴキブリ!
今度は部屋の中でゴキブリ・ハンティングを楽しむ~。
そのうち、以前縁側でくれた丸い食べ物じゃないものをくれるようになった。
カリカリくんっていうやつだ。
優しい人はわざわざぼくちんのために、町で買ってきてくれたのかなあ。
ぼくちんは毎日、夕刻になると、部屋を訪れるようになった。
からだを休め、リラックスする。
おいしい食べ物や水まで用意されているんだぜ!
やがて夜の帳が落ちてくる。
今度は開けっ放しのドアから蚊が入ってくる!
優しい人はドアを閉める準備を始めた。
ぼくちんは毎日、そのころの時間帯になると、外に出されたんだ。
あー、もっと部屋の中にいたいなあと思うんだけど~。
森の夜は冷えるからきっと部屋の中のほうがあったかいだろうなあ…。
writing : ハンク
illustration : ちくわ