コンゴの森の冒険者ハンク
地上にもあった満天の星
ある晩、ぼくちんは草むらの中で夜のハンティングに夢中になっていた。
夜も幾多の虫がもぞもぞ動いている!
ぼくちんはそれを目指して、一気に襲いかかる~ムシャムシャ。
小さな川の畔に出た。
夜でもわかる透明な水がとうとうと流れている。
浅い底はそのままくっきりとぼくちんには見える。
目を上げると近くの小さな木がキラキラ輝いていた。
おいおい、またかよ~。
いくら大好きな森の中でも、木が光るわけがないよな!
そのチカチカするいくつもの小さな光。
よく見ると、その小さな木の葉っぱから葉っぱへ小刻みに移動している。
なんか、森の中でクリスマスツリーを見ているようだ。
今度も目の錯覚ではない。
森の中の魔物にやられたわけでもない。
その輝きはすぐに手を伸ばせる場所に現実にある!
ぼくちんは、ホタルの群がるその小さな木にずーっと見とれていた~。
気づいたら、ぼくちんは森を出ていた。
きょうは月が出ていないらしい。
遮るもののない夜空には、銀河の光が零れ落ちそうにあふれている。
ぼくちんは草むらに入る。
合唱の音源である虫たちを狩るだめだ。
ぴょん、ぴょん、シャー!
そこからちょっと離れた場所の草むらに近づいていった。
なんと、地上のあちこちが所狭しと輝きを放っている。
ピカピカピカ~!
まさか、銀河の星々が草むらに写っている?
でも、草むらは湖面ではない。
そんなのがあり得ないことくらいはぼくちんにもわかる!
その一個一個の小さな光にぼくちんは近づく。
ちょっと怖いけど、ぼくちんの好奇心は恐怖心を上回っている!
ついにその正体を見た!
その地上の宇宙を作っていたホタルの群れのど真ん中で、ぼくちんはいつまで もうっとりしていた…。
writing : ハンク
illustrarion : ちくわ