コンゴの森の冒険者ハンク

光の舞


ぼくちんはときどき夜に森の中で寝っ転がるんだ。
冷気が漂い、からだもひんやりと心地いい。
虫の合唱を聴きながら、うとうとしてしまいそうだ~。

横になりながら、ふと上を見上げる。
空を覆っている大きな梢の隙間から、光が漏れている。
その向こうにある満点の星々が風に漂う葉っぱの隙間からちらちら見えるんだ。

月が出ていれば、木々の枝の向こう側全体が夜空一杯に明るくなっている!
その宇宙からの光線が森の中の地面に降り注ぐと、
漆黒の闇の森はまるでおとぎ話の世界のように明るくなるんだ。

ぼくちんがそんな風にしていたあるときにこと。
ん?なんか高い場所をいくつもの光がすーっと動いている!
ぼくちんのいる地上から30mくらいの高さかしら?

あれ、森の中でも満天の星が見れるのかなあ?
でも、まさか星がそんな高さの場所にあるわけないよな~。
それに、星がそんな速さで動くなんてあり得ない!

あ、ひょっとしたら人工衛星か?
それなら、光の動くスピード感は納得できる。
でも、人工衛星がそんな地上近くを行き来するはずがない!

ぼくちんの頭は混乱する。
神秘的なポリフォニーを聴いて、幻想でも見ているのか?
そうだとすると、森はなんて意味深なところだ~。
 


ふと気づくと、その小さな光の群れはどんどん地上の方に降りてくる。
ゆらゆら~。
そしてときにはスイーッと!

こりゃ、星でも人工衛星でもない。
ぼくちんの目が狂っていたわけでもないんだ…。
その光は、ぼくちんの近くの葉っぱにふわりと着地した。

ぼくちんはそのホタルの光の舞をいつまでもずっと眺めていた。

writing : ハンク
illustration : ちくわ

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