コンゴの森の冒険者ハンク

長屋のやさしい人


住み慣れた倉庫周辺がぼくちんのテリトリーだ。
倉庫に近い事務所もそうだ。
それに隣接するヨウム舎にはなんども足を運んでいるんだ。

ときどき勇気を出してちょっとその先にも行ってみる。
また別棟の家がある。
そこは森にも近いし、近くに格好の草地もある。

家は長屋で細長い。
縁台がずっと長く続いている。
そこは日陰になっていて、縁台に寝そべると冷たくて気持ちがいい。

ぼくちんはときどきそっちにも行ってみたんだ。
ちょっと遠いからおっかなびっくりだけど、草むらにも森にも虫は多いんだ。
なにより疲れたらその縁台に上がって、昼寝もできる!

あるときから夕方になるとある人間を見かけるようになる。
縁台において椅子に腰掛けて、静かに座っている。
飲み物も飲みながら、なんかかじっている。

毎日、だいたい同じような午後の遅い時間にその人はその長屋に入る。
そこに住んでいるのかな。
そして長屋から出て、縁台に出てくる。

昆虫ハンティングに疲れたぼくちん。
夕刻までそこの縁台ですっかりうたた寝してしまった!
はっと気づいたら、ぼくちんはその人の足元にいる~。
 


その人間はやさしくぼくちんの背中を撫でる。
しかも足の裏で!
でも気持ちいい。

うっとりしていると、上からなにかが落ちてくる。
丸っこいものだ。
その人が上から落としてくれたものらしい。
くんくんくん、匂いをかぐ。

美味しそうな香り。
ぼくちんはその丸っこいものを口にする。
 

writing : ハンク
illustration : ちくわ

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