コンゴの森の冒険者ハンク

あとがき ヨウムのお話を終えて

いまでもコンゴ共和国などではヨウムの違法捕獲は続いています。
そうした情報は頻繁に入ってきます。
ところが昨今、密猟者の方も巧みになってきたのか、地元レンジャーの尽力にもかかわらずなかなか逮捕できず、またヨウムの押収も進んでいないのが現実です。
気づいたらもうヨウムは野生から消えたなんてことにもなりかねません。
 


その原因は「ヨウムが売れる」という一言に尽きます。
現地の人はチャンスがあればヨウムを獣肉として食べますが、メインの食べ物ではありません。
「生け捕りにすれば高額で売れる」ことにのみ関心があります。
結果的に、そのヨウムがどこへ向けてどういうルートで販売されているかについて彼らは興味はないですが、売れているからには買い手がいるのは確かなのです。

こうした事態は決してみなさんの直接の責任ではないでしょう。
ヨウムの人工繁殖が容易でなく、市場にペット目的で売られているヨウムが野生ヨウム由来だという事実が知られていないことに問題があるかと思います。

ペットとしてヨウムを家で飼っていらっしゃる方、動物園等でヨウムを飼育されている方、ペットショップでヨウムの販売をされている方、そしてヨウムのことに興味がなかった方やヨウムのことをまったく知らなかった方、まずはみなさんに、こうした事実を知ってほしいことです。

すでに日本で飼育されている個体を野生に戻すことはできません。
できることは、可能な限りストレスを軽減しながら最後まで責任を持って飼育されること、動物園などでは複数でしかも広いケージで飼育するように園同士で協力すること、そして人工繁殖の研究をもっと進めること、最後にこうした「現実」をより多くの人に知らせていくことだと思います。

「かわいいから」「ものまねがうまいから」「ヨウムでショーをやると人気があるから」…その結果、需要が継続し、野生のヨウムが絶滅してしまうことがみなさんの望むところなのかどうか…、「コンゴの森の冒険者ハンク」の第5話から第20話までもう一度読んでいただいた上で、今一度その点考えていただければ幸いです。

同じペットであっても、ヨウムはイヌやネコと違うのだということも。
 

afterword : ドクター西原
illustration : ちくわ

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