コンゴの森の冒険者ハンク

ヨウムの健康診断


ヨウムを取り出す人間はみな分厚い手袋をしている。
ヨウムのくちばしはいかにも鋭く見える。
こりゃ、手があのくちばしに噛まれたらきっと痛いだろうから、その防御だろうな。
 

 

ヨウムの叫び声と一緒に、人の喚き声も!
きっと捕まえ方が下手なやつがくちばしに噛まれたにちがいない。
はははー、この阿鼻叫喚の地獄絵みたいな風景は!

いろんな装置が並べられたテーブル。
そこにヨウムが一羽一羽、運ばれる。
すぐに、押さえられたくちばしに、何か装置がはめられた。

瞬時に静かになった。
さっきまでうるさかったヨウムはテーブルの上にコテンと横たわってしまった。
え、死んじゃったの?

動かなくなったヨウムに、また注射針が!
また血液採取だ。
終わると、なんとびっくり、ヨウムは息を吹きかえした。

よかったー。
きのうから散々、ヨウムの死骸を見ていたからね。
テーブルの上のヨウムはきっと麻酔で一時的に寝てたんだな?

次から次へとテーブルにヨウムが運ばれてくる。
中には、麻酔中に、羽の奥の方まで点検を受けているヨウムもいる。
ぼくちんにはよくわからないけど、ずいぶん羽の毛並みが悪いように見えたよ。

あ、うっかり寝込んでしまった~。
ぼくちんが目を覚ましたときには、もう注射器も装置もテーブルもすっかり片付けられていた。
血液の入った何百本ものチューブが箱にしまわれるところだった。
 

writing : ハンク
illustration : ちくわ

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