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コンゴの森の冒険者ハンク

うれしい歌とかなしい叫び


20年くらい前だろうか、こちら現地の知り合いであるフランス人の家でヨウムが飼われていたときのことを思い出す。
よく言葉を真似する鳥だなってくらいにしか思っていなかった。
飼い主のフランス人も毎日のようにキスをして、かわいがっていた。
 


ペットなのだから、きっとイヌやネコみたいに普通に人為的に繁殖されているのだろうなあ。
そう思っていた。
なのに、どうしてこの数百羽のヨウムを生け捕りにする必要があるんだろう?

空高く舞う、野生のヨウムの群れ。
いかにも楽しく会話をしているかのような甲高い声を出して飛んでいく。
ハンクにも、そのうれしそうな歌は、毎日聞こえていたであろう。

そして密猟者の使っていた小さな籠の中に、所狭しと閉じ込められたヨウムたちの聞き慣れない金切り声。
ハンクは、そのヨウムたちのかなしげな号泣に似た叫び声も耳にしていたに違いない。


writing:ドクター西原
illustration:ちくわ

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