コンゴの森の冒険者ハンク

心の湯たんぽ


ときには、ハンクがぼくよりも先に、わがもの顔でベッドで寝ている。
ときには、ぼくがベッドで寝ていると、ひょいと飛び乗ってくる。
ときには、部屋の別の場所に寝ていたのに、ふと気づいたら横で寝息をたてている。
気まぐれなハンクは、気が向くままに、ぼくのベッドを楽しんでいる。
 



熱帯林といっても夜は結構冷える。
20度を下回ることも度々ある。
薄いシーツをかぶっているだけなので、そんなときハンクが横にいると暖かい。
ハンクが足元に寝ているときは、湯たんぽ代わりになって、ぼくの冷たい足元を温めてくれる。

ハンクとぼくの関係は、いわゆる「ヒトとペット」の関係になったわけだ。
ぼくは、この関係をつくづく不思議に思うことがある。
種がちがう、コミュニケーションの方法がちがう、そんなわけで、必ずしも意思疎通が思い通りに行くわけでもない。
でも、ペットが近くにいると、温まるのは冷えたカラダだけじゃない。
ぼくの心の芯を、何よりも誰よりも温めてくれることがある。
ペットの存在は、実にありがたいものだと思う。

はじめハンクは、餌を目当てにぼくに近づいてきた。
このヒトは、餌をくれるヒト、そう思って近づいてきた。
そして、フルタイムではないけれど、ぼくの部屋に居着いた。
だけど今、ハンクとぼくのつながりは、それだけじゃないと思う。
ハンクに言葉で確認することは出来ないけど、ハンクとぼくは、心と心をつないでいるのだと思う。
それぞれの心を温め合い、その存在が側にある時には、お互いがほっこりした気持ちになっているのだと思う。
 
writing:ドクター西原
illustration:ちくわ

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