コンゴの森の冒険者ハンク

ようこそハンク、ぼくの部屋に。


ここは、アフリカの豊かな熱帯森林が面前まで迫っている奥地の入り口。
長屋のような建物で寝泊まりするだけの一室が、ぼくの部屋。
アフリカと日本を行き来しながら早30年。
日本に一時帰国もする。
一ヶ月ほど経って、彼に出会った場所に戻ると、果たしてハンクもやってきた。
 


イエネコにはしていない。
トイレの世話をできるような道具もない。
それに一時帰国のとき、安心して世話を任せられるような人物がいる環境でもない。
何より、ここのネコ達は外で毎日のように狩りをしている。
ミミズやバッタ、小型のトカゲなど、草むらに潜んでいる小動物を狙って食べている。
それで十分生きていけるネコなのだから、その自由は奪いたくない。

初めは遠慮してか、ハンクはぼくの部屋には入ってこなかった。
そのうち慣れてくると、ぼくの部屋に上がってくるようになった。
やがては、まるで自分の部屋であるかのように振る舞う。
そんなハンクを見ていると、おかしくなる。

夜はトイレの心配があったので、部屋の外に出していた。
でも、夜中ぼくがトイレに起きてドアを開けると、ハンクはドアの横で寝ている。
朝になってドアを開ければ、待ってましたとばかりに部屋に入ってくる。
                                           
writing:ドクター西原
illustration:ちくわ

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